2013年2月1日金曜日

職人にプライドを 2

小学校3年の時に半分壊して2階を増築した時が大工さんとの出会いでした。
住まいネットの高木です。

実家は旗竿地で重機も入らず、地元の大工さんが手作業で解体し、庭で材木を刻みながら
家を造っていく姿を覚えています。

小学校から一目散に帰ってくると、大工さんの仕事姿を飽きもせず眺めていました。
これが私にとって「家」、「建築物」に興味を抱くきっかけとなりました。
それから街のあらゆるところで、新しくできる建築物にワクワクし、
塀越しに眺めるようになります。

昔の大工さんは棟梁と呼ぶにふさわしく、弟子への指示、教育はもちろんですが、
設計から積算から、他の下職さんの段取りや手配、材料の発注など
すべての現場を仕切っていました。

しかし、今では積水ハウスや大和ハウスなどハウスメーカーが台頭し、
工場で加工した部材を組み立てる、いわゆるプレハブ住宅がほとんどです。
ゲンノウもカンナやノミもいらない。ただ部材を組み立てるだけ。
もはや、職人がすることではなく、作業員がすること。
魂込めた家づくりとは程遠くなっています。

仕事も分業が進み、設計は設計事務所が行ったり、
工務店が積算や現場を管理するようになることで、段取りや手配、材料の発注などを行うと
大工としての仕事は棟梁ではなく、木工事担当の下職人となってしまっている。

自ら考えるのではなく、ただ指示を待ち、その指示に従い、
完成した家の引き渡しに立ち会うこともなく、お施主様の喜ぶ顔を見ることもなく、
次の現場へと向かう職人たちに、その魂を見ることはほとんどない。

その結果、工業製品と化した無味乾燥とした家が立ち並び、職人魂は消えつつある。
経済的な合理性と効率を追求した結果の代償。

本物の家づくり、神様が宿る家は魂が入って初めて完成する。
それを入魂するのは他でもない大工を中心とした本物の職人である。

職人一人一人が、この家づくりに気概を持ち、職人として高い志を持つ
自分たちが携わった家を後世に誇れる仕事をしていただく。

その思いを共有し、より良くするため話し合いをし、自ら取り組む。
気概も志も誇りも与えられるものではない、自らの中に見出すもの。
協力業者会はそのための場の提供です。

それ以外にもお施主様との接点を増やすことで、実感してほしい。
素晴らし仕事をしていることを。多くの喜びを与えたことを。

今年も多くの業者会に参加し、そのサポートをしていきたい。
今日も思いを込めて、頑張りましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿