2013年1月10日木曜日

残念なヒアリングとプロのヒアリング

今日は岐阜で澤田先生と会議です。
住まいネットの高木です。

住まいネットでは澤田先生によるデザインプロデュースを行っています。
新年早々からたくさんの依頼をいただいています。

住まいネットで全国の皆様のヒアリングすることはできないので、
地域の工務店にご協力を頂き、シートを基にヒアリングをしていただいています。

そのシートを見て、愕然とすることが、たまにあります。
ただマルがついているだけのものや、
予算を重要視となっているのに、予算がわからないのもの、
希望の予算や大きさから見て、明らかに要望がてんこ盛りのもの、などです。

それらは、お客様の言ったことをそのまま書いただけのもの、
もしくは、お客様が直接書いただけのものです。

はたして、これでいいプランができるのでしょうか?

素敵なデザインにはなりますが、
お客様が満足するプランになることは少ないです。
実際に会っていない人が設計をすることは、とても難しいことなのです。

もちろん、ファーストプランをベースとしてご要望を練って、
最終的に満足の行くプランになればいいという割り切った考え方もできますが、
中にはがっかりされてしまう方も多いのではないでしょうか。

逆に、ファーストプランからグッとくるものができれば、
よりお客様を惹き付けることができますよね。

では、どうすればいいか。

ヒアリングシートはそのまま言ったことを書かないことです。

お客様が言ったことをそのまま書くだけなら、工務店の協力は必要ないです。
電話で建築を知らないオペレーターが聞き取りしても同じです。

ただ聞いたことを書くのではなく、
お客様が希望されていることの背景を汲み取り、
プロとして、それを形にするために、ヒアリングシートを書いていくのです。

そのためにはお客様の要望を深堀していくことが必要です。

どうして、そうしたいのか?
どのような使い方をイメージしているのか?
どのようなライフスタイルなのか?
どのような動きをするのか?たとえば、朝起きて家を出るまでは?
そのために何を置き、何を使用し、どうしまい、どれぐらいあるのか?
お客様の性格は?たとえば、几帳面なのか、ルーズなのか?
生活時間帯はどうなっているのか?
何に困っているのか?
優先順位はどうなのか?

ですから、聞くことは家に対する要望ですが、
引き出してほしいのは要望の背景や暮らしぶりです。
プロのヒアリングができるこの方はここまでやります。
ですからヒアリングには3時間も4時間もかかります。

そして、引き出した要望の背景や暮らしぶりを形にするために
ヒアリングシートにまとめるのです。
そこに記された言葉はお客様そのままの言葉ではなく、
ヒアリングした人の言葉で書かれます。

そうして書かれたヒアリングシートを見ると、書き手の意図がよくわかり
ヒアリングシートを見ただけでプランのイメージがすぐできます。
実際に会っていないにもかかわらず、お客様の暮らしぶりが想像できるからです。
そして、できあがったプランはとても満足度の高いものになります。

プロのヒアリングのためにやるべき3つのことは
1.ヒアリングシートはお客様がそのまま言ったことを書かないこと。
2.お客様の要望を深堀して、要望の背景や暮らしぶりを引き出すこと。
3.引き出した要望の背景や暮らしぶりを形にするためにヒアリングシートにまとめること

住まいネットへ提出する前に、そのシートを見て、プランのイメージが湧くか確認してみてください。
イメージが湧けばプロのヒアリングができていることになります。

シートを書いた人がイメージが湧かないインプット情報で設計をしてもらっても
いいプランにならないのは当然ですよね。
澤田先生がどんなに天才でも無理です。

大前提ですが、資金へのヒアリングもできていなければなりません。
そうでなければ、絵に描いた餅と同じです。

お客様に満足してもらえる家づくりのために、今日も頑張っていきましょう。

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